嘔吐
嘔吐は、食べたものを胃から口へと吐き出してしまう症状です。お子さんが嘔吐すると、ご家族はとても心配になりますよね。「もしかして何か悪い病気なのではないか?」「ぐったりしているけど大丈夫だろうか?」と不安になることと思います。
嘔吐は、様々な原因で起こりうる症状であり、原因を特定し適切な対処をすることが大切です。当院では、お子さんの年齢や症状、既往歴などを詳しくお伺いし、丁寧に診察することで、原因を特定し、適切な治療を行います。また、ご家族の不安な気持ちに寄り添い、安心して過ごせるようサポートいたします。
嘔吐の原因
嘔吐の原因は、大きく分けて感染症、消化器系の病気、その他の病気、精神的なものに分けられます。
感染症
ウイルスや細菌による感染症は、嘔吐の最も一般的な原因の一つです。
- 感染性胃腸炎・・ノロウイルスやロタウイルスなどが原因で、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などを引き起こします。
- 感冒(風邪)・・鼻水、咳、発熱などに伴い、嘔吐が見られることがあります。
消化器系の病気
消化器系の病気も嘔吐の原因となります。
- 胃腸炎・・胃や腸の炎症によって、吐き気、嘔吐、腹痛などを引き起こします。
- 腸閉塞・・腸が詰まってしまうことで、激しい嘔吐や腹痛を引き起こします。
- Hirschsprung病(ヒルシュスプルング病)・・腸の神経がうまく発達しない病気で、便秘や嘔吐が見られます。
- 肥厚性幽門狭窄症・・胃の出口(幽門)の筋肉が厚くなり、ミルクが通過しにくくなる病気で、生後1ヶ月頃から噴水のように嘔吐します。
その他の病気
消化器系以外の病気でも嘔吐が起こることがあります。
- 髄膜炎・・脳や脊髄を覆う髄膜に炎症が起こる病気で、発熱、頭痛、嘔吐などを引き起こします。
- 脳腫瘍・・脳に腫瘍ができることで、頭痛、嘔吐、視力障害などを引き起こします。
- 糖尿病性ケトアシドーシス・・糖尿病のコントロールが悪い状態が続くと、吐き気、嘔吐、腹痛などを引き起こします。
- 腎不全・・腎臓の機能が低下することで、吐き気、嘔吐、食欲不振などを引き起こします。
- 喘息・・激しい咳込みが続くことで、嘔吐を誘発することがあります。
精神的なもの
精神的なストレスや不安も嘔吐の原因となることがあります。
- 心因性嘔吐・・精神的なストレスや不安が原因で、吐き気や嘔吐が起こります。
- 神経性食思不振症(拒食症)・・食事を極端に制限することで、吐き気や嘔吐を引き起こすことがあります。
嘔吐によって引き起こされる病気
嘔吐自体は病気ではありませんが、嘔吐が続くことで様々な合併症を引き起こす可能性があります。
- 脱水症状・・嘔吐によって体内の水分が失われることで、脱水症状を引き起こすことがあります。脱水症状が進むと、意識障害やショック状態になることもあります。
- 誤嚥性肺炎・・嘔吐物が気管に入ってしまうことで、肺炎を引き起こすことがあります。
- マロリー・ワイス症候群・・激しい嘔吐によって食道と胃のつなぎ目が裂けてしまい、出血することがあります。
嘔吐の処置や治療法
嘔吐の治療は、原因によって異なります。
家庭でのケア
軽度の嘔吐であれば、家庭でのケアで改善することもあります。
- 水分補給・・嘔吐によって失われた水分を補給するために、経口補水液やスポーツドリンクなどを少量ずつ、こまめに与えましょう。
- 食事・・嘔吐が落ち着いてきたら、消化の良いものを少量ずつ与えましょう。おかゆ、うどん、スープなどがおすすめです。
- 安静・・体を休ませることが大切です。
医療機関での治療
以下のような場合は、医療機関を受診しましょう。
- 嘔吐が何度も続く場合
- 嘔吐に血が混じっている場合
- 激しい腹痛を伴う場合
- 意識が朦朧としている場合
- 脱水症状が見られる場合(ぐったりしている、おしっこの量が少ないなど)
医療機関では、原因を特定するための検査(血液検査、レントゲン検査、CT検査など)や、症状を緩和するための治療(吐き気止め、点滴など)が行われます。
嘔吐についてのよくある質問
Q1. 嘔吐したときに、すぐに病院へ行くべきですか?
A1. 嘔吐の回数や、他に症状があるかどうかで判断しましょう。ぐったりしている、激しい腹痛がある、血を吐いたなどの場合は、すぐに受診してください。水分の摂取が可能で、他に症状がない場合は、しばらく様子を見ても良いでしょう。
Q2. 嘔吐後の食事は、どのようにすれば良いですか?
A2. 嘔吐が落ち着いてから、消化の良いものを少量ずつ与えましょう。おかゆ、うどん、スープなどがおすすめです。油っこいものや刺激物は避けましょう。
Q3. 感染性胃腸炎の場合、家族に感染させないためにはどうすれば良いですか?
A3. 感染者の便や吐物にはウイルスがたくさん含まれています。処理する際は、手袋やマスクを着用し、処理後は石鹸で丁寧に手を洗いましょう。また、タオルや食器などを共有しないようにしましょう。
院長より
お子さんの嘔吐は、ご家族にとって大きな心配事だと思います。当院では、お子さんの症状だけでなく、ご家族の不安な気持ちにも寄り添い、丁寧な診察とわかりやすい説明を心がけております。「こんなこと相談しても良いのかな?」と思うようなことでも、遠慮なくご相談ください。
当院には、小児科専門医である私と副院長の2名が在籍しております。それぞれの専門知識を活かし、お子さんの健康をサポートいたします。また、セパレート診療体制を導入しており、感染症のお子さんと、健診や予防接種のお子さんの待合室を分けておりますので、安心してご来院ください。
