クループ症候群(急性喉頭気管気管支炎)
クループ症候群(急性喉頭気管気管支炎)について
クループ症候群は、主にウイルス感染によって喉頭、気管、気管支といった呼吸器の炎症が起こる病気です。特に3歳以下の小さなお子さんに多く見られ、「ケンケン」という犬の吠えるような咳や、呼吸困難を伴うのが特徴です。夜間に症状が悪化しやすく、保護者の方にとっては非常に心配な病気の一つです。当院では、お子さんの苦しさを少しでも和らげ、安心して過ごせるよう、丁寧な診察と適切な治療を心がけています。ご心配な場合は、お気軽にご相談ください。
クループ症候群の症状について
クループ症候群の最も特徴的な症状は、以下の通りです。
- 犬吠様の咳・・「ケンケン」「コンコン」といった、まるで犬が吠えるような特徴的な咳が出ます。
- 嗄れ声・・声がかすれて、ガラガラとした声になることがあります。
- 吸気性喘鳴・・息を吸うときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音(喘鳴)が聞こえることがあります。
- 呼吸困難・・呼吸が苦しくなり、呼吸回数が増えたり、鼻の穴を広げて呼吸したり、胸やお腹がペコペコへこむような呼吸をすることがあります。
- 発熱・・38度前後の発熱を伴うこともあります。
これらの症状は、夜間に悪化しやすい傾向があります。お子さんの様子を注意深く観察し、症状がひどくなる場合は、早めに医療機関を受診してください。
クループ症候群の原因について
クループ症候群の主な原因は、ウイルス感染です。中でも、パラインフルエンザウイルスが最も多い原因ウイルスとして知られています。その他、RSウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなども原因となることがあります。
これらのウイルスは、咳やくしゃみなどの飛沫感染や、接触感染によって spread します。保育園や幼稚園など、集団生活を送る中で感染することが多いです。一度感染すると、免疫が十分に獲得できないため、繰り返し感染することもあります。
まれに、細菌感染が原因となることもあります。その場合は、症状がより重くなることがあります。
クループ症候群の病気の種類について
クループ症候群は、炎症が起こる場所によって、いくつかの種類に分けられます。
- 急性喉頭炎・・喉頭に炎症が起こるタイプで、最も一般的なクループ症候群です。
- 急性喉頭気管炎・・喉頭と気管に炎症が起こるタイプです。
- 急性喉頭気管気管支炎・・喉頭、気管、気管支に炎症が広がるタイプで、比較的重症化しやすいです。
また、症状の程度によっても分類されることがあります。
- 軽症・・犬吠様の咳はあるものの、呼吸困難はなく、普段と変わらない様子で過ごせる場合。
- 中等症・・犬吠様の咳が強く、呼吸困難を伴う場合。
- 重症・・呼吸困難が非常に強く、SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)が低下している場合や、意識状態が悪い場合。
重症の場合は、入院治療が必要となることがあります。
クループ症候群の治療法について
クループ症候群の治療は、症状の程度や原因によって異なります。当院では、お子さんの状態を carefully 評価し、適切な治療法を選択します。
主な治療法は以下の通りです。
1. 対症療法
- 加湿・・乾燥した空気は、喉の炎症を悪化させる可能性があります。加湿器などを使用して、室内の湿度を50~60%に保つようにしましょう。
- 水分補給・・発熱や呼吸困難があると、脱水になりやすくなります。こまめに水分補給を行いましょう。
- 安静・・無理に動き回ると、呼吸が苦しくなることがあります。安静にして、体を休めましょう。
2. 薬物療法
- ステロイド薬・・喉の炎症を抑え、呼吸困難を改善する効果があります。内服薬や吸入薬を使用します。当院では、お子さんの年齢や体重、症状に合わせて、適切な量を処方します。
- 気管支拡張薬・・気管支を広げ、呼吸を楽にする効果があります。吸入薬を使用します。
- 鎮咳薬・・咳を鎮める効果がありますが、クループ症候群の咳は、痰を出すための重要な働きをしているため、むやみに使用することは避けましょう。
3. 酸素投与
呼吸困難が強く、SpO2が低下している場合は、酸素投与を行います。鼻から酸素を吸入したり、酸素マスクを使用したりします。
4. ネブライザー療法
当院では、吸入コーナーを設けており、ネブライザーという医療機器を用いて、薬液を霧状にして直接喉に吸入させる治療を行っています。これにより、炎症を抑え、呼吸を楽にする効果が期待できます。
5. その他の治療
まれに、細菌感染が疑われる場合は、抗菌薬を使用することがあります。また、非常にまれですが、呼吸困難が改善しない場合は、気管挿管が必要となることもあります。その場合は、高次医療機関へご紹介いたします。
クループ症候群についてのよくある質問
クループ症候群について、保護者の方からよくいただく質問をまとめました。
Q1. クループ症候群は、人にうつりますか?
A1. はい、クループ症候群は、ウイルス感染によって起こるため、人にうつる可能性があります。咳やくしゃみなどの飛沫感染や、接触感染に注意しましょう。手洗いやうがいを徹底し、感染予防に努めましょう。
Q2. クループ症候群は、繰り返しかかりますか?
A2. はい、クループ症候群は、原因となるウイルスが複数存在するため、繰り返しかかることがあります。一度感染しても、免疫が十分に獲得できないため、何度も感染することがあります。
Q3. クループ症候群は、自宅でどのようにケアすればよいですか?
A3. クループ症候群の自宅でのケアは、以下の点に注意しましょう。
- 加湿・・室内の湿度を50~60%に保ちましょう。加湿器がない場合は、濡れたタオルを干したり、お風呂の湯気を活用したりするのも効果的です。
- 水分補給・・こまめに水分補給を行い、脱水を防ぎましょう。
- 安静・・体を休め、無理な活動は避けましょう。
- 夜間の観察・・夜間に症状が悪化しやすいので、お子さんの様子を注意深く観察しましょう。呼吸困難やSpO2の低下が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
Q4. クループ症候群で、救急車を呼ぶべき場合はありますか?
A4. はい、以下の場合は、救急車を呼ぶことを検討してください。
- 呼吸困難が非常に強く、SpO2が90%以下の場合
- 意識状態が悪い場合
- 顔色が悪く、ぐったりしている場合
- 呼吸をするときに、胸やお腹がペコペコへこむような呼吸をしている場合
これらの症状が見られる場合は、速やかに救急車を呼び、医療機関を受診してください。
院長より
青木こどもクリニックでは、お子さんのクループ症候群の診療に力を入れています。私自身、小児科専門医として、これまで多くのお子さんのクループ症候群を診てきました。クループ症候群は、お子さんだけでなく、ご家族にとっても不安な病気だと思います。当院では、丁寧な問診と診察を行い、お子さんの状態を正確に把握し、適切な治療法をご提案します。。院内には吸入コーナーを設けており、ネブライザー療法も行っています。また、ご家族の不安な気持ちに寄り添い、安心して治療を受けていただけるよう、スタッフ一同心がけています
